世界の日常は一変した-。日々の生活や企業の活動は「新常態(ニューノーマル)」と呼ばれる新たな社会規範の制約を受け、大きな戸惑いを感じている。新たな世界の中で再び輝くため、企業に求められるのは、自らの持続可能な未来像を描く意志と、そこへ向かって歩み続ける実行力だ。
2021/7/19付け 日刊工業新聞 西日本面
新型コロナウイルス感染症の拡大で世界の日常は一変した。しかし、日本各地には新たな社会規範や生活様式に戸惑いながらも持続可能な未来像を描き、歩み続ける“グッドカンパニー”がある。
樹脂成形用金型などを手がける米田精密金型製作所(大阪府豊中市、米田隆治社長)は、2030年に向けて、特殊成形用金型に力を入れ、他社との差別化を図ろうとしている。
同社の強みは使いやすさを追求した金型設計。単色成形機に専用の機器を装着し、一つの金型で2色成形する工法を開発したこともある。
現在、力を入れるのはスーパーエンジニアリングプラスチックやフッ素樹脂といった特殊樹脂成形用の金型だ。電気自動車(EV)関連部品向けの需要増を見込み、すでに金型も試作済み。「EV関連の大手企業などからの引き合いも出てきている」(米田社長)といい、医療や環境関連の機器向けにも提案する考えだ。
米田社長は「独自技術を生かした特殊金型で、成長が見込めるEVや医療などの新市場に対応する」との意気込み。補助金を活用した設備投資で生産体制を整え、早期の事業化を目指す。同社初となるベトナムでの工場建設も視野に入れている。
「英語はわからなかったが、辞書を片手に交渉した」。米田隆治社長は金型製造業に身を置きながら、子供服を販売していた時期がある。1990年代巻き起こった高級子供服ブームでの需要を見込み、市場に参入。日本貿易振興機構(ジェトロ)に相談し、カナダまで子供服を仕入れに行ったという。そんな経験から、米田社長は「新しいことへの挑戦に恐れはない」と話す。現在進めるベトナムでの新工場の計画でも、経験が生きているのだろう。
企業名 | 有限会社米田精密金型製作所 | |
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代表者 | 代表取締役 米田隆治 | |
住所 | 大阪府豊中市原田中1-2-32 | |
電話 | 06-6853-5465 | |
URL | http://yonedaseimitsukanagata-ss.com/ | |
業種 | プラスチック射出成形用金型 設計・製造 | |
主な製品 | 2色成形用金型、フッ素樹脂成形用金型、プラスチック射出成形用金型、新製品開発の設計・試作 |