勝機をつかめ!
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世界の日常は一変した-。日々の生活や企業の活動は「新常態(ニューノーマル)」と呼ばれる新たな社会規範の制約を受け、大きな戸惑いを感じている。新たな世界の中で再び輝くため、企業に求められるのは、自らの持続可能な未来像を描く意志と、そこへ向かって歩み続ける実行力だ。

エコホールディングス

2021/8/9付け 日刊工業新聞 西日本面

<シートヒーター新たな柱に>

北海道の同社農場ではシートヒーターを使ったニンニクの栽培実証に取り組む

エコホールディングス(大阪府豊中市、佐藤由希社長)は、主力の太陽光発電所設計・建設に次ぐ事業として、カーボン素材を活用した面状発熱体「シートヒーター」を展開している。養豚場など畜産向けで培った実績を生かして農業や医療など新分野の開拓を目指しており、北海道の同社農場ではニンニクの栽培実証にも取り組む。10年後には新たな柱事業に育てたい考えだ。

シートヒーターは基材にカーボン素材と銀配線を印刷(※)したものをラミネート加工しており、銀配線に電気を流すとカーボンが発熱する。コントローラーで温度を最大100度Cまで1度単位で調整でき、2秒で50度Cまで上昇できる昇温性が特徴だ。

農業で一般的に使われる温水を流すチューブ状のヒーターと比べて、面で暖められて熱効率が高い。薄くて軽く、自由自在に変形できるのも強みだ。「土壌全体に均一に熱が行き渡り生育にムラがでない」(佐藤社長)といい、同シートを採用したイチゴなどの栽培では、生産性が約30%向上した事例もある。

農業に続いて参入を狙うのは医療分野。手術室の寝台、患者の手や足などにシートを巻き付けて体温を一定に保つ用途を想定し、研究開発を進めている。※8月24日一部変更


企業の横顔

代表取締役社長 佐藤 由希 氏


佐藤社長が商売のおもしろさを知ったのは中学生時代。当時倒産品の卸売業をし
ていた創業者の父の姿を横目に家業を手伝っていた。父に好きにしてもいいと言
われた商品でガレージセールをしたところ、1日に30万円売り上げたとか。
「その成功体験が今でも忘れられない」(佐藤社長)。約15年前、自身で一か
ら会社を立ち上げ、当時22歳ながらも「怖いもの知らずで飛び込んだ」。いろ
んな失敗や成功体験を経て、今では従業員約20人の企業を引っ張る。

企業名エコホールディングス株式会社
代表者代表取締役社長 佐藤 由希
住所大阪府豊中市豊南町南6-8-14
電話06-4866-6508
URLhttps://ecohd.jp/
業種太陽光発電システムの設計・施工・販売
主な製品太陽光発電システム、ECOiシートヒーター(ナノカーボンヒーター) など