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世界の日常は一変した-。日々の生活や企業の活動は「新常態(ニューノーマル)」と呼ばれる新たな社会規範の制約を受け、大きな戸惑いを感じている。新たな世界の中で再び輝くため、企業に求められるのは、自らの持続可能な未来像を描く意志と、そこへ向かって歩み続ける実行力だ。

藤電気

2021/8/2付け 日刊工業新聞 西日本面

<熱可塑性樹脂製品拡販>

鉄道向け絶縁部品の切削加工

藤電気(大阪市淀川区、並木秀幸社長)は、電気絶縁材料の専門商社として創業し、熱硬化性樹脂やFRP(繊維強化プラスチック)製の部品加工も手がける。2020年はコロナ禍の影響で鉄道向けなどが落ち込む一方、住宅設備や物流機器向けは好調に推移。並木社長は「工場の自動化が進み、ロボットアームやマテハン機器を滑らかに動かす部材として熱可塑性樹脂の需要が増えた。今後、加工技術を向上させたい」と力を込める。

まずは外部セミナーなどを活用した社員教育に力を入れ、「積極的に受注がとれる体制を整えたい」(並木社長)との方針。外注先の協力企業と連携を深めつつ、自社設備の活用方法も検討する。

一方、海外は「グローバル企業の東南アジアへの工場移設が進んでおり、樹脂製品のニーズが伸びる」(同)と見て、マレーシア工場で手がける自動車や電気設備向けFRP部品の販路拡大を狙う。周辺国のタイ、シンガポール、ベトナムへの販売を増やすため、各国の展示会への出展やSEO(サーチエンジン最適化)対策を強化。日系企業以外からの受注を増やす。30年に向けて海外売上高比率は現状の5%を20%に伸ばし、マレーシア工場は増強も検討する。


企業の横顔

代表取締役社長 並木秀幸 氏


並木社長がトップに就任したのは2020年9月。創業者の孫に当たり、前社
長である自身の叔父から3代目として引き継いだ。前職では、物流会社で海外勤
務していた経歴を持ち、当社に入社してすぐにマレーシア工場の立ち上げに抜て
きされた。「従業員の雇用から経理まで全て任せてもらえた」(並木社長)。社
長に就くまでの約7年間、現地の従業員約15人のマネジメントを手がけ、「こ
の経験を経営にも生かしていきたい」と意気込む。

企業名株式会社藤電気
代表者代表取締役社長 並木秀幸
住所大阪市淀川区三国本町1の10の25
電話06-4807-3161
URLhttp://fuji-dnk.com/
業種各種FRP・樹脂・絶縁材料の卸売・加工、配線アッセンブリー
主な製品FRP・樹脂の加工品、住宅設備・バッテリー車向け配線など