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世界の日常は一変した-。日々の生活や企業の活動は「新常態(ニューノーマル)」と呼ばれる新たな社会規範の制約を受け、大きな戸惑いを感じている。新たな世界の中で再び輝くため、企業に求められるのは、自らの持続可能な未来像を描く意志と、そこへ向かって歩み続ける実行力だ。

アイチ

2021/8/13付け 日刊工業新聞 西日本面

<品ぞろえでニーズに応える>

本社店舗では豊富な種類の空調機能付きウエアをそろえる

アイチ(堺市中区、古沢清社長)は、本社店舗や電子商取引(EC)サイトを通じて、メーカー13社の空調機能付きウエアを法人・個人向けに販売している。古沢社長は「個別ニーズに合わせて、各メーカーの特徴を提案できるのが強み」と胸を張る。バッテリーの改良やデザイン性の追求など、豊富な種類をそろえる。

特に好調な低価格帯の「ジェネリック空調ウエア」は消費税込みの価格が従来品比約半値の9790円。2021年は前年比1・3倍の2000着の販売を見込んでいる。

低価格空調機能付きウエアは、先行していたメーカーの特許切れなどを機に近年、参入が増えて、普及し始めた。以前は主に建設業や製造業で現場作業員の熱中症予防用として訴求していたが、現在は一般消費者向けにも販売を拡大している。コロナ禍ではキャンプや釣りといったレジャーでも活用が進む。

アイチの創業は1959年。軍手や作業服を扱ってきたが、近年は地元の「だんじり祭り」向けをはじめとする祭用品や企業の制服などに業容を広げてきた。中でも空調機能付きウエアは夏の猛暑を追い風に、さらなる市場成長が期待できる。海外展開を視野に入れ、本格的に市場を調査する考えだ。


企業の横顔

代表取締役 古沢清 氏


アイチが立地する毛穴(けな)町(堺市中区)は、布に染料を注いで染める「注染」や、織物や糸から不純物を取り除く技法「和晒」といった伝統産業で知られる。今も染め物事業者が数多く残る。毎年秋には、名物「だんじり祭り」が開かれる。以前は祭に参加していた古沢社長は「今度は祭り用品の販売のプロになる」と意欲を燃やす。アイチの販売店には、ピーク時になると1日約2000人が来店するのだとか。子どもから大人まで地域が一丸となり、祭礼文化の継承と発展を目指す。

企業名株式会社アイチ
代表者代表取締役 古沢清
住所堺市中区毛穴町119の1
電話072-273-8793
URLhttp://www.omatsuri-youhin.com/
業種作業服や祭用品の販売
主な製品作業服、作業用品、祭用品、衛生用品