世界の日常は一変した-。日々の生活や企業の活動は「新常態(ニューノーマル)」と呼ばれる新たな社会規範の制約を受け、大きな戸惑いを感じている。新たな世界の中で再び輝くため、企業に求められるのは、自らの持続可能な未来像を描く意志と、そこへ向かって歩み続ける実行力だ。
2021/9/7付け 日刊工業新聞 西日本面
春日出スプリング製作所(大阪市此花区、川戸誠一社長)は、主に試作用のバネを手がける。試作をもとに開発されたバネはトラックの後部で積んだ荷物を降ろす可動バンパー部分や、鉄道の車両間の転落防止幌(ほろ)などで使われている。特にトラック用は荷台を傾けて砂利など積載物を降ろす際、作業に支障が出ないようにバンパーを収納するためにバネが役立つ。
試作用以外について、川戸社長は「量産対応も可能だが、従業員数6人の小規模だけに基本的には1000個未満の少量を請け負う形」と説明する。将来を見据えた上で、新たな受注の柱になる可能性を秘めるのが送電線に使われるバネだ。送電線用ゴムの収縮をバネの力で補う。インフラ整備などに伴い「これから受注が増える可能性がある」と川戸社長は見通す。
試作用バネを製造する設備面も、荷重を計算するシミュレーションソフトや曲げ部分の加工を自動化するための数値制御(NC)ベンダーなどを導入している。バネ材となる線材は鋼やステンレス、チタンなど幅広く対応する。状況にもよるが、試作用バネは最短1日で納入する場合もある。飛び込みの試作受注を請け負う柔軟性を備えるのも強みだ。
春日出スプリング製作所の本社工場は大阪市此花区役所や此花署、此花郵便局が近くにある大通り沿いに面している。実はこの立地が受注拡大にも寄与している。大阪湾方面の先にはユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のほか、工業団地もあるためトラックなども行き交う。川戸社長は「信号待ちで当社の看板を見た方がいきなり来られることもある」と打ち明ける。飛び込み相談からの依頼も気軽に請け負う懐の深さがある。
企業名 | 有限会社春日出スプリング製作所 | |
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代表者 | 代表取締役 川戸誠一 | |
住所 | 大阪市此花区春日出中2-17-17 | |
電話 | 06-6461-0096 | |
URL | http://baneyasan.blog62.fc2.com/ | |
業種 | バネの設計・製造 | |
主な製品 | 線バネ、角バネ、板バネなど各種バネ |