勝機をつかめ!
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世界の日常は一変した-。日々の生活や企業の活動は「新常態(ニューノーマル)」と呼ばれる新たな社会規範の制約を受け、大きな戸惑いを感じている。新たな世界の中で再び輝くため、企業に求められるのは、自らの持続可能な未来像を描く意志と、そこへ向かって歩み続ける実行力だ。

河井精工所

2021/9/14付け 日刊工業新聞 西日本面

<設備充実、小ロット対応も>

計8台の各種研削盤で機械部品などの研削加工に取り組む

河井精工所(大阪府豊中市、河井和裕社長)は1958年創業で、工作機械の主軸となるスピンドルや金型部品などの金属加工を手がける。加工は部品の仕上げなど研削に特化する。現在は工作機械50%、金型30%、建設機械などが20%の事業構成で単品受注を含む小ロット対応も請け負う。顧客の図面を受けて取り組む研削加工について河井社長は「状況にもよるが、場合によっては2日程度で納品する」と説明する。

 創業以来、研削ひと筋。このため将来に目を向けても、河井社長は「従業員も7人。10人以上にはしない。ずっと研削にこだわって仕事をすることは変わらない」と強調する。脱炭素化の加速で金属加工の仕事が減少する可能性もあるが「皆で支えて研削の仕事をやり切るだけ」と話す。

 研削を支える自前の設備はシギヤ精機製作所の円筒研削盤2台、岡本工作機械製作所の平面研削盤1台など計8台を抱える。充実させた各種研削盤により、精密な研削加工を実現する。「高性能な機械があっても技能を磨くことが大切」と河井社長は説く。「お客さまからの相談に簡単にできないと言わない。何とかすることで、次の受注につながる」と従業員に口酸っぱく伝える。


企業の横顔

代表取締役 河井和裕 氏


河井精工所の本社は河井社長の住まいでもあるが現在、ライブハウスとして貸し出している。大型機械の部品研削ができなかったため工場は豊中市内で移転したが、河井社長は「当社最寄り駅の阪急電鉄宝塚線の庄内駅は大阪音楽大学の最寄り駅。音楽を盛り上げたい」と本社の活用を考案。ライブハウスではブルースやジャズのほか和太鼓のイベントを開いてきた。「コロナ禍収束後、もっと地元の方々に楽しんでほしい」と期待を寄せる。

企業名株式会社河井精工所
代表者代表取締役 河井和裕
住所大阪府豊中市豊南町東2-5-6
電話06-4867-5455
URL
業種研削加工業
主な製品機械部品、金型部品などの研削仕上げ加工