世界の日常は一変した-。日々の生活や企業の活動は「新常態(ニューノーマル)」と呼ばれる新たな社会規範の制約を受け、大きな戸惑いを感じている。新たな世界の中で再び輝くため、企業に求められるのは、自らの持続可能な未来像を描く意志と、そこへ向かって歩み続ける実行力だ。
2021/9/15付け 日刊工業新聞 西日本面
甲南化工(大阪府高槻市、亀沢誠社長)は食品添加物製剤を手がける食品部門、化成品の受託研究などの合成部門、うがい薬に使う水溶性アズレンを中心に医薬品原料を製造・販売する製薬部門を持つ化学メーカー。透析装置用の洗浄剤もOEM(相手先ブランド)生産するなど化学分野での対応幅は広い。
木村崇知執行役員は「お客さまは多岐にわたる。大手が対応しにくい多品種少量の受注を請け負う」と話す。今後、中長期的に目指すのは2011年に設立した沖縄ラボ(沖縄県うるま市)の積極活用。木村執行役員は「バイオ関連の研究を強化したい」と意欲を示す。同ラボで微生物を利用した新たな物質の開発と沖縄固有の植物からの有用成分の抽出を目指している。
1948年に大阪市西淀川区で設立したが、65年に新工場を設けて現在地に移った。亀沢社長は「現在、当社従業員で移転前を知る人はいない。高槻の企業として根付いた」と実感する。理工系大学出身者も多く、従業員の出身校のつながりにより理系学生が入社しやすい企業風土がある。大学や研究所との連携実績を豊富に持つのも強みとする。各種研究企画に参画し、独自商品の開発などに生かす考えだ。
甲南化工の本社工場は高槻市役所から近い距離にある。亀沢社長は「市役所の方から『近隣の人で甲南化工の社名を知らない人はいないですよ』と声を掛けられたこともある」と話す。1965年の高槻移転以来、地元に根付いた証とも言える。高槻は大阪、京都の中間に位置し交通至便なため、顧客が立ち会い実験に訪れることも多い。「1週間継続して使われることもあるが歓迎している」(同)と施設の積極提供も顧客から好評だ。
企業名 | 甲南化工株式会社 | |
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代表者 | 代表取締役社長 亀沢誠 | |
住所 | 大阪府高槻市中川町5-21 | |
電話 | 072-674-0612 | |
URL | http://www.konankako.co.jp/ | |
業種 | 化学工業 | |
主な製品 | 食品香料・食品添加物、医薬品原料、受託化成品など |