勝機をつかめ!
-地域のグッド・カンパニー-

世界の日常は一変した-。日々の生活や企業の活動は「新常態(ニューノーマル)」と呼ばれる新たな社会規範の制約を受け、大きな戸惑いを感じている。新たな世界の中で再び輝くため、企業に求められるのは、自らの持続可能な未来像を描く意志と、そこへ向かって歩み続ける実行力だ。

太洋

2021/9/20付け 日刊工業新聞 西日本面

<新商品開発に注力>

累計販売250万枚のヒット商品に育った「きになるニオイトリ」

 太洋(大阪市此花区、水木一裕社長)は、化学薬品と理化学機器を取り扱う専門商社。1948年に創業し、顧客との取引を通じて信頼や事業の幅を広げてきた。仕入れ先も納入先も大手製造業が多い。安定した経営基盤を築いている。

 注力するのは新商品の開発。水木社長はモノづくりが好きで、これまで防菌・防かび剤のパラクロロメタキシレノール(PCMX)によるにおい取り商品をはじめ、さまざまな商品を作ってきた。

 今、売れているのはPCMXを染み込ませた防菌・防かびシート「きになるニオイトリ」。2008年発売後、ラジオ番組や全国放送のテレビ生活情報番組、新聞・雑誌などが採り上げ、20年までに累計販売250万枚のヒット商品に育った。

 マーケティングを担うのは水木社長の妻の水木政子取締役。きになるニオイトリの元になるシートを使いやすく切って知り合いに配ると評判がよく、自らセールスを買って出た。持ち前の行動力で大阪商工会議所の商談会に出品したり生活雑貨店などに提案したりして、販路と愛用者を増やした。

 次の目標は海外進出。20年にはニューヨークへ乗り込みニオイトリを宣伝した。日本貿易振興機構(ジェトロ)の支援も得て、米国市場開拓に挑む。


企業の横顔

代表取締役社長 水木一裕 氏


きになるニオイトリには、購入客に用途や要望などを聞くアンケート用紙も同封し、約2万通もの回答を得て、新たな開発に生かしている。これにより介護をはじめさまざまな使い道を的確に把握し、製品の拡充につなげてきた。次ぎにどのようなニオイトリを発売するかは、顧客の声も反映させる。パッケージを有名なキャラクターのデザインにしたタイプや、OEM(相手先ブランド)供給もある。こうした開発や売り方の創意工夫も光る。

企業名太洋株式会社
代表者代表取締役社長 水木一裕
住所大阪市此花区島屋4-3-24
電話06-6465-0573
URLhttp://www.taiyo-kabu.co.jp/
業種試薬・化学薬品販売
主な製品工業薬品、医薬品、食品添加物、試薬、委託合成、理化学試験機・器具・消耗品、 臨床検査薬・検査設備・消耗品、公害関連機器、高圧ガス