世界の日常は一変した-。日々の生活や企業の活動は「新常態(ニューノーマル)」と呼ばれる新たな社会規範の制約を受け、大きな戸惑いを感じている。新たな世界の中で再び輝くため、企業に求められるのは、自らの持続可能な未来像を描く意志と、そこへ向かって歩み続ける実行力だ。
2021/10/20付け 日刊工業新聞 西日本面
浅利精機(大阪府豊中市、中村均社長)はワイヤ放電加工を専門に手がける。ワイヤ放電加工は加工速度が比較的遅いものの緻密な加工に向き、加工時に出る金属スクラップが少なく、残材の再利用が可能だ。中村社長は「顧客が国連の持続可能な開発目標(SDGs)をより考えるようになり、『ワイヤ放電加工が材料を無駄なく使える』という考え方が長い目で見ると普及するのでは」と期待を込める。
浅利精機の競争力を支えるのは、豊富な設備と技術力だ。中村社長は「常に新しい機械を追いかけ、設備を更新する必要がある」と明かす。今後もこの姿勢を貫く方針だ。
同社は現在、ワイヤ放電加工機を12台保有している。「なかなか持っている会社がない」(中村社長)ような大型のワイヤ放電加工機も所有しており「大きな仕事につながっている」(同)という。
人材面では10年先を見据え、コロナ禍収束後に若手人材を2―3人採用し、育成する方針。中村社長は同社2代目の社長で「この10年でバトンタッチのための基盤を作り、3代目を決めて引き継ぎたい」(同)という。また、基盤づくりの一つとして、顧客数を増やすことにも取り組む計画だ。
大阪府豊中市は、金型製造業や金属加工業など製造業が集積しており「遠方の顧客から、豊中で品物が仕上がると言われる」(中村均社長)土地。全国的に中小製造業の企業数が減少する中でも、技術力の高い会社が多く残る。同市にある浅利精機も技術力を磨き続けており、中村社長の仕事のやりがいは「難しい仕事が仕上がったとき」だとか。今後も中村社長は「難しい加工にもまずは挑戦する姿勢を続けていく」構えだ。
企業名 | 浅利精機株式会社 | |
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代表者 | 代表取締役 中村均 | |
住所 | 大阪府豊中市勝部3-1-5 | |
電話 | 06-6844-0085 | |
URL | ||
業種 | 各種ワイヤ放電加 | |
主な製品 | 金属製品のワイヤカット加工 |