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上杉工業

2021/10/25付け 日刊工業新聞 西日本面

<シャッター製造、培った技術で新事業構想>

カラー鋼板を加工できるのが強み

上杉工業(大阪府吹田市、上杉嘉邦社長)は、水道・空調設備工事とシャッター製造の2事業を手がける。シャッター製造は、傷に気を使うカラー鋼板を加工できるのが強みだ。同社は2038年の創業100周年を見据え、会社の基盤固めを推進している。

現社長の上杉嘉邦氏は20年に、30歳の若さで事業継承した。社長の実弟でシャッター製造部門の責任者である上杉紘平製造販売部課長は「既存顧客も不安だったかもしれないが、これまでの売り上げや利益を落とさないことに加え、当社を信頼してもらえる顧客対応を意識している」と強調する。

社内で基盤固めの一環として、若手社員の育成や楽しく働ける職場環境作りに力を入れている。上杉課長は「声かけを行うだけでも空気が変わる。手が空いたときは、積極的に製造現場に行くようにしている」と手応えを話す。

さらに10年後をめどに、同社を支える第3の柱となる新規事業の立ち上げを構想する。シャッター製造で培った製造技術力を生かす方針だ。上杉課長は「シャッター製造技術をそのまま使うことに限らず、顧客やエンドユーザーに満足してもらえるモノを開発したい」と意気込む。


企業の横顔

代表取締役 上杉嘉邦 氏


1938年に大阪府吹田市で創業した。のちに同市公認の第一号水道工事店になり、現在の水道工事事業へとつながるが、当時は「吹田は水が豊かで水道会社は仕事にならないと言われていた」(上杉紘平課長)という。そのため、掘った井戸にポンプを付けたり、井戸の蓋を製造する事業を手がけていたという。シャッター製造事業は、1957年に始めたシャッターの取り付け工事事業から派生した。

企業名株式会社上杉工業
代表者代表取締役 上杉嘉邦
住所大阪府吹田市日の出町26-63
電話06-6381-7241
URL
業種建設、製造
主な製品(重軽量)給排水設備工事