勝機をつかめ!
-地域のグッド・カンパニー-

世界の日常は一変した-。日々の生活や企業の活動は「新常態(ニューノーマル)」と呼ばれる新たな社会規範の制約を受け、大きな戸惑いを感じている。新たな世界の中で再び輝くため、企業に求められるのは、自らの持続可能な未来像を描く意志と、そこへ向かって歩み続ける実行力だ。

丸喜容器

2021/10/25付け 日刊工業新聞 西日本面

<ドラム缶再利用、主役は「内容物」品質維持>

再生したオープンドラムにふたを取り付ける

丸喜容器(大阪府吹田市、喜井良一社長)は、使用済みのドラム缶を洗浄、修理して再利用するオープンドラムの製造販売を手がける。オープンドラムは使用済み缶のふたを切り離した後、内容物を焼却、洗浄した後に胴体を整形し、塗装してふたを取り付ける。「原材料価格が上がって新缶の値段が上がると、割安なオープンドラムの需要が増える」(喜井社長)という。

内容物を焼却してから洗浄する「焼き洗浄」が可能な焼成炉を持ち、「1日30―40本程度の小ロットにも対応できる」(同)というフットワークの良さが強み。内面に耐薬品性の樹脂塗装を施したり、ポリ袋を装着するなどの対応も可能だ。

使用済みドラム缶は化学品や塗料メーカーなどから持ち込まれるものを再生し返す場合もあれば、商社などから仕入れたものを再生、販売することもある。そのため使用済み缶の数を確保しておくことも顧客ニーズに応える重要な要素になる。

喜井社長は自社のドラム缶再生事業について、「主役はドラム缶に入る内容物。品質を維持し、ノークレームで商品を供給し続けることで当社を知ってもらい、10年、30年先も安定して仕事を続けることが一番の目標」と力を込める。


企業の横顔

代表取締役 喜井良一 氏


ドラム缶は再生によって5-6回利用された後、スクラップとして再資源化されており、鉄資源の有効活用につながる循環型のリサイクルシステムを構築している。再生したドラム缶は、化学品メーカーなどのほか、ホームセンターを経由して個人の利用者に販売されることもある。ドラム缶の形を生かした椅子を作ったり、側面に絵を描いたりする「ドラム缶アート」の素材として丸喜容器から直接購入していく顧客もいるという。

企業名丸喜容器株式会社
代表者代表取締役 喜井良一
住所大阪府吹田市吹東町16-24
電話06-6381-2245
URL
業種ドラム缶を再生したオープンドラムの製造販売
主な製品オープンドラム、ポリ内装複合容器、塗料用オープンドラムなど