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世界の日常は一変した-。日々の生活や企業の活動は「新常態(ニューノーマル)」と呼ばれる新たな社会規範の制約を受け、大きな戸惑いを感じている。新たな世界の中で再び輝くため、企業に求められるのは、自らの持続可能な未来像を描く意志と、そこへ向かって歩み続ける実行力だ。

松本製作所

2021/11/9付け 日刊工業新聞 西日本面

<フィルムの精密プレス加工>

松本製作所の製造現場

松本製作所(大阪府摂津市、松本庸平社長)はフィルムの精密プレス加工が主力。金型は外注での製作がメーンだが内製も可能で、松本社長は「金型を外注する際も設計段階から協議し、独自のノウハウを付与して作り込める」と話す。

松本製作所が10年後を見据え注力するのは自動車関係の仕事だ。同社はトヨタ自動車が2020年12月に発売した燃料電池自動車(FCV)「MIRAI」に対し、高性能フィルムを打ち抜いたFCスタックの構成部品を供給している。

松本社長は「異種材料の多層フィルムのため、精度良く打ち抜くことに課題があった。金型メーカーと金型を作り込み、課題を解決できた」と胸を張る。

この実績を元に、自動車関連企業への営業活動を加速する考え。松本社長は「電気自動車(EV)やFCVが主流になると、当社の活躍の幅が広がるのでは」と期待を込める。

直近では自社製品として、マスクに貼り香りを楽しむ「アロマシール」の販売を8月に開始した。同社は13年から、OEM(相手先ブランド生産)で洋服などに貼る「アロマシール」を生産。自社開発のシステムにより、定量かつピンポイントに液を滴下できるのが強みという。


企業の横顔

代表取締役社長 松本庸平 氏


松本製作所の事業はニーズの変化とともに変遷し、現在では全棟クリーンルームの環境下でフィルムの精密プレス加工を手がけている。祖業は合成樹脂の機械加工だった。今後は「一層環境に配慮したモノづくりをしたい」と松本庸平社長は意気込む。「環境に関する情報を収集するほか、ニーズの変化によって生まれる新たなビジネスチャンスを模索したい」と、松本社長は展望を話す。
松本社長の趣味は、樹木や岩などに付着して成長するシダの仲間「ビカクシダ」を育てること。「理想を形にしたい」(松本社長)という。

企業名株式会社松本製作所
代表者代表取締役社長 松本庸平
住所大阪府摂津市東別府5-1-40
電話06-4862-8883
URLhttp://www.matsumoto-ss.co.jp/
業種製造業
主な製品ポリエステルフィルムの精密プレス加工