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2021/11/22付け 日刊工業新聞 西日本面

<撹拌機の生産拡大>

撹拌機を製造する（自社工場、大阪府茨木市）

ミスギ（大阪府茨木市、杉本博司社長）は、大手家電や化学薬品メーカー向けを中心に、粉体や塗料などを均一に混ぜる撹拌（かくはん）機を手がける。最近では食品や機能性塗料向けの受注が増え、過去６年間で売上高が約１・５倍に拡大した。２０２２年度から新工場棟が稼働するなど、生産体制を強化。「１０年後には売上高を現状比で約５倍に引き上げる」と杉本社長は野心的構想を描く。

新棟増設によって、工場面積は現状から約２・１倍に拡張。機械加工後の組み立てから出荷までを一貫して担うセル生産方式とし、柔軟性のある生産体制を整える。現工場では作業面積が手狭だったため、設備や工具の置き場所が煩雑になっており、生産効率が低下していた。新生産体制では作業を単純化し、経験が浅い作業員でも高い生産性を狙う。

同時に内製も強化する。現在は特注品のみ自社工場で製造しているが、新工場では量産する標準品の内製にも対応。これにより多くの受注獲得を狙う。

コロナ禍を受け、同社では電子商取引（ＥＣ）や宅配事業に参入する個人事業主からの引き合いも増えている。「人員の増加や、自動化設備も積極的に導入していきたい」と杉本社長は意気込む。

企業の横顔

代表取締役　杉本博司 氏

ミスギは、現社長の杉本博司氏の父にあたる初代社長が、塗料や電動工具などの日曜大工の卸小売業として創業した。創業期以来大切しているのは“お客さまのこうしたいを形にする”こと。主力商品である攪拌機「まぜまぜマン」はそんな思いから創業者が発案した。創業者が逝去して約８年。２代目の杉本博司氏は「当社をさらに拡大することが夢」と父の遺志を引き継ぐ。
趣味はツーリングで、北海道 から本州にかけて１４００キロメートルを漕いだ経験を持つ。