世界の日常は一変した-。日々の生活や企業の活動は「新常態(ニューノーマル)」と呼ばれる新たな社会規範の制約を受け、大きな戸惑いを感じている。新たな世界の中で再び輝くため、企業に求められるのは、自らの持続可能な未来像を描く意志と、そこへ向かって歩み続ける実行力だ。
2022/2/23付け 日刊工業新聞 西日本面
大栗紙工(大阪市生野区、大栗康英社長)は、ノートの製造を手がける。企業理念には「『いいモノつくるやん!』と言われる企業であり続けます!」と掲げる。2030年に創業100周年を迎えるが、「10年後と言わず、その先も本当に必要とされるモノを作り続ける」(大栗佑介取締役)と力を込める。
大栗紙工が手がけるノート製造はほとんどがOEM(相手先ブランド)生産だが、ここ数年は自社製品の開発に注力している。
発達障がい者の声を採り入れて開発したノート「mahora(まほら)」や廃棄米由来の紙を使用したメッセージカード「サステナブルパッド」などを発売した。大栗社長は「自社ブランド品を始めて今までにない情報に触れ、世界が広がった」と話す。
企業や学校のオリジナルノートの製作も始めている。オリジナルノート製作でも、使い手が喜ぶ製品作りの姿勢は変えない。例えばノベルティ用途では、大栗社長は「もらった人が喜ぶノートを作ることで、企業や学校のイメージアップになれば」との考え。目指すのは「まほらやサステナブルパッドなど自社ブランド品をきっかけに、ノート製作の相談を頂く」という好循環の構築だ。
大栗紙工は大阪市西区で創業した。1941年に、現在本社や工場を置く生野区に移転した。ノート製造は新学期で需要が高まる1~4月が繁忙期だ。加えて自社ブランド商品を相次いで投入しており、社屋の改装も進行。また大栗社長の長男である大栗佑介取締役への事業継承を見据えた若手人材の育成や製造設備の更新などの事業基盤強化にも取り組んでおり、大栗社長は忙しい日々を送っている。そんな中ゴルフや夫婦での旅行が息抜きで、仕事への活力になっているという。
企業名 | 大栗紙工株式会社 | |
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代表者 | 代表取締役社長 大栗康英 | |
住所 | 大阪府大阪市生野区巽北3-15-7 | |
電話 | 06-6752-0856 | |
URL | http://og-shiko.co.jp/ | |
業種 | ノート製造、自社ブランド品の製造販売 | |
主な製品 | ノート、紙製品を中心とした文房具 |