世界の日常は一変した-。日々の生活や企業の活動は「新常態(ニューノーマル)」と呼ばれる新たな社会規範の制約を受け、大きな戸惑いを感じている。新たな世界の中で再び輝くため、企業に求められるのは、自らの持続可能な未来像を描く意志と、そこへ向かって歩み続ける実行力だ。
2022/3/7付け 日刊工業新聞 西日本面
土井製作所(大阪府豊中市、土井一騎社長)は建築分野をはじめとするプレス金型の製作とメンテナンスが主力事業。現在、全ての業務を土井社長が1人でこなす。顧客に満足してもらうことを重視し、「相手によって仕様も用途も変わる。良かれと思ったことが的外れになる可能性もある」と聞き取りを欠かさない。
顧客満足と独自性の追求により、金型修理を得意とするようになった。30―50年前の、製造元が現存しない古い金型も引き受ける。形状にもよるが、図面がなくても可能な限り対応している。通常にない仕様の手作り金型の修理依頼が来ることもあるが、土井社長は「金型によって曲げや穴など個性があって面白い」と試行錯誤にも前向きだ。
将来の生き残りに向け、個人客の開拓も図る。家庭用レーザー加工機や3Dプリンターで作製できる表札や時計を考案した。ホームページで一部の実物も販売するが、作製用データの販売が中心なのが特徴だ。
配送やクレーム対応に時間を割けないため、データを使って作製した人が気に入れば料金を払う後払い方式を選択。「取引がオンラインで完結するため、将来は低いリスクで海外展開も考えられる」と構想する。
土井一騎社長の「モノづくりが好き」という思いが土井製作所の事業を支えている。あくなき探求心によって他社製の古い金型を引き受け、さまざまな工夫で修理対応している。その姿勢は取引先からの評価も得ており「苦しいときにいろいろ教えてもらえた」という。個人向け商品の加工データ作りもモノづくりへの関心から発展。ホームセンターで家庭用のレーザー加工機や3Dプリンターを見かけるようになっており、追い風となりそうだ。
企業名 | 有限会社土井製作所 | |
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代表者 | 代表取締役 土井一騎 | |
住所 | 大阪府豊中市三和町2-3-10 | |
電話 | 06-6332-8848 | |
URL | https://doiworksshop.com/ | |
業種 | 金属加工 | |
主な製品 | 主な製品 プレス金型、レーザー加工表札、3Dプリンター造型品など |