勝機をつかめ!
-地域のグッド・カンパニー-

世界の日常は一変した-。日々の生活や企業の活動は「新常態(ニューノーマル)」と呼ばれる新たな社会規範の制約を受け、大きな戸惑いを感じている。新たな世界の中で再び輝くため、企業に求められるのは、自らの持続可能な未来像を描く意志と、そこへ向かって歩み続ける実行力だ。

三協メタル

2022/10/21付け 日刊工業新聞 西日本面

<加工までワンストップ>

うどん鍋の加工を請け負ったこともある

 三協メタル(大阪市鶴見区、岡田一隆社長)が掲げるのは「かゆい所に手がとどく」こと。同社は鋼材の卸販売が本業だが、要望に応じて加工まで請け負う。切断だけでなく旋盤加工やフライス加工、板金加工など、同社にとって販売先でもある協力工場とネットワークを構築。「お客さんが、ここまでやってくれると助かるというところまで引き受ける」と岡田社長は話す。

 多くの企業で人手不足が深刻化する中、発注業務の負担も小さくはない。そこで同社が鋼材販売だけでなく、金属加工の発注や納期管理までワンストップで取りまとめる。「同じ加工でも設備などによって得意不得意がある。適材適所に仕事を振り分け、鉄のことに詳しくないお客さんに対しても最適な加工を提供する」(岡田社長)。そんな顧客と協力工場をつなげる自らの役割を、岡田社長は「通訳」と表現する。

 最終ユーザーからも依頼が舞い込み、珍しいところでは、うどん店に銅製の鍋を納めたことも。「行きつけのうどん店で側溝を修繕したら、その知り合いのうどん店を紹介された」と岡田社長は振り返る。「いろいろな業界のお役に立ちたい」(同)と、介護機器など仕事の幅をさらに広げたい考えだ。


企業の横顔

代表取締役社長 岡田一隆 氏


岡田社長が三協メタルを創業したのは2012年。父と妻との3人だけでスタートし、創業時は自ら営業や配達、加工に走り回ったという。現在はパートも含めて9人体制。自社では切断だけだった加工も、穴開けや溶接まで乗り出すことを決めた。「自社で加工すれば短納期に対応しやすい。協力工場とも仕事を融通しあうこともできる」と説明する。社名にある「三協」の由来は、父と妻との3人の協力に加え、「応援してくれる仕入れ先と、ウチから買いたいと言ってくれるお客さん」と同社の3者による協力を表しているという。

企業名三協メタル株式会社
代表者代表取締役社長 岡田一隆
住所大阪市鶴見区放出東1-30-18
電話06-6961-6121
URLhttp://sankyo-metal.co.jp/
業種鋼材販売
主な製品普通鋼、特殊鋼、非鉄金属、一般鋼材の販売、加工